院長ブログ

本気で治す爪水虫・その2

苫小牧の皮膚科医院 『たかはし皮膚科クリニック』、院長の高橋幸夫です。

本気で治す爪水虫・その2、ということで、治療法の解説に進みたいと思います。
まとめて内容を知りたい方は、その1、その2、その3 の順で読むとよいでしょう。

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●二つの治療法

爪水虫に効果的な飲み薬は以下の2種類です。

・ラミシール(テルビナフィン)

・イトリゾール(イトラコナゾール)

それぞれに特徴があって、一概に優劣はつけられません。
以下に詳しい解説を載せましたので、よく内容を理解していただき、あなたにあった薬を選択してください。

●第一選択 「ラミシール錠」(テルビナフィン)

飲み方:1日1錠服用。約半年続ける

通 院:おおむね4週間に1度(治療開始当初は2週間に1度)

検 査:当院では、初めの3か月は毎回血液検査。その後も定期的に行う。

長 所:併用禁止薬が少ない
    効果が高い(筆者の印象としてはイトリゾールよりも上)

短 所:肝機能障害を起こす可能性が数%ある
   治療に長期間かかるので途中で挫折してしまうことがある
    通院回数、血液検査の回数が多くなる分、治療費がやや割高

併用注意薬(併用禁忌ではない)
    ジメチジン(タガメット・胃潰瘍、十二指腸潰瘍治療薬)
    リファンピシン(結核治療薬)
    三環系抗うつ剤(イミプラミンなど)
    ピル(経口黄体・卵胞ホルモン)

コメント:当院では約8割の方がこちらを選択します
     著者の総合判断でも、日本国内で最善の治療薬と考えます。

服用スケジュール

 

 

 

 

 (製薬会社提供の説明資料より)
※服用スケジュールです

 

●第二選択 「イトリゾールカプセル」(イトラコナゾール)のパルス療法

飲み方:1日8カプセル(朝4、夕4)を1週間連続服用
    その後、3週間休薬
    これを3回繰り返す

通 院:4週間に1度のペースで3回
その後は数カ月に一度、状態の確認のため通院

検 査:治療前後に2,3回程度血液検査を行う

長 所:ラミシールよりも肝機能障害のリスクが少し低い印象
    治療期間が短いので、治療を完結出来る可能性が高い
    通院回数、血液検査の回数が少なく、全体の費用がやや安い

短 所:ラミシールより効果が高いというデータはあまりない
    (「ほぼ同等」、または「わずかに劣る」というデータが大半)
    併用できない薬が多い
    1回(7日分)の処方で約1万円の薬代がかかる(3割負担)

併用禁止薬
高血圧治療薬、高脂血症治療薬など多数
内科などでの処方変更の可能性があるので、併用薬がある
場合はラミシールを選択するほうが無難

コメント:忙しくて長期間の通院が難しい方に向いています

服用スケジュール

 

 

 

 

(製薬会社提供の説明資料より)
※服用スケジュールです

 

●内服治療が困難な方の治療

肝機能障害などで内服治療が困難な場合、塗り薬が治療の中心になります。
白癬菌を抑える「抗真菌剤」を根気よく塗り続けます。
加えて、尿素クリームやサリチル酸ワセリンなどを爪に塗布し、さらにラップなどで密封する閉鎖療法(ODTと呼びます)を併用し、爪を柔らかくして削ります。
抗真菌剤外用と閉鎖療法の併用で、爪水虫が治癒することがあります。
ただし治癒するまで最短でも1年、通常なら数年かかります。

この方法は内服薬を使う方にも有効な方法です。
特に爪の厚みが強い方は、治療初期は閉鎖療法を併用すると効果的です。

●日常注意すべきこと

・足は石鹸で丁寧に洗い、よく汚れを流し、しっかり乾かしてから靴下をはきましょう
・周囲への感染を防ぐために、お風呂の足ふきマットやサンダルの共有は避けましょう
・軽石や硬いタオルで強く足をこすると角質に傷がつきます。かえって水虫を悪化させるので避けましょう
・家の床やたたみはこまめに掃除しましょう

●おまけ

実は「ラミシール」「イトリゾール」のほかにもう1つ、「グリセオフルビン」という水虫の飲み薬がありました。
かつては爪水虫と言えば「グリセオフルビン」しかなく、完治するまで2年から3年服用を続けなければならない患者さんもいらっしゃいました。
画期的な新薬である「ラミシール」と「イトリゾール」の登場で、その役割は終わりましたが、「グリセオフルビン」は多くの皮膚科医にとって思い出深い薬です。

次回、その3へつづきます。

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