院長ブログ

ゆっくりお付き合いしましょう。脂漏性皮膚炎

苫小牧の皮膚科医院 『たかはし皮膚科クリニック』、院長の高橋幸夫です。

今回は、皮膚科の外来で一番頻度の多い、脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)を紹介します。
実はわたしも軽い脂漏性皮膚炎です。
残念ながら皮膚科医でありながら、自分で自分の脂漏性皮膚炎を治すことができません。
その理由は・・・

以下を読んでいただくと分かります。

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※ヤンセンファーマの患者さん向け説明資料より
(同社のニゾラールクリーム、ニゾラールローションは有効な治療手段です)

 

●脂漏性皮膚炎とは
フケ症、あぶら症の体質を背景に生じるカサカサした慢性湿疹です。
皮膚に寄生するカビ・癜風菌(でんぷうきん)が皮脂を分解し、生じた老廃物が皮膚を刺激することで皮膚炎が生じるという説が有力です。
顔(ひたい、ほほ)、頭、耳、腋の下、胸、下腹部(陰部)などに生じます。

●背景、悪化原因
【脂漏体質】 遺伝的、体質的に皮脂(毛穴から分泌されるあぶら)が多い状態(脂漏体質)が、脂漏性皮膚炎に関係すると考えられます。

【年  齢】 思春期以降はホルモンの影響で皮脂が増え、脂漏性皮膚炎が生じやすくなります。中年以降の男性の場合、年齢が増すほど男性ホルモンが優位になる傾向があり、その結果皮脂が増え、症状が増すことがあります。

【生活環境、生活習慣】 ストレス、過労、睡眠不足、食生活の偏り、便秘、入浴や洗髪の不足や不適切な洗い方、などによって悪化します。

●治 療
【ステロイド外用剤】 短期間では治癒しにくい病気ですので、無理に強力なステロイドを使うのは避けます。「効き目」と「副作用のリスク(皮膚が薄くなる、ヘルペスや吹き出物が出来やすくなる、など)」のバランスをとりながら長期的に症状を抑えていくことをお勧めします。

【抗真菌外用剤】 ニゾラールというカビを抑える塗り薬が、保険で使用を認められています。ステロイドほど強力な作用はないものの、副作用が少なく、長期的には有効な薬です。効果が出るまで2~3週間かかることもあります。

【痒み止めの内服薬】 痒くて患部を掻いてしまう方には痒み止めの飲み薬を処方します。主な副作用は眠気とだるさです。痒みを抑えることで、患部を掻くことが減るので、間接的に症状を改善させる効果が期待されます。(直接湿疹そのものを改善させる効果はありません)

【ビタミンBの内服薬】 ビタミンB2、B6の不足によって脂漏性皮膚炎が悪化する場合があります。飲み薬でこれらを補うことで症状が多少改善することがあります。(効果は弱めです)

●気をつけたいこと
脂漏性皮膚炎の3大要因は「体質」「年齢」「生活習慣」です。体質と年齢は気をつけようがありませんが、生活習慣の改善で症状をある程度軽くできます。以下の点にお気を付け下さい。

◆脂肪分、糖分、ナッツ、コーヒー、アルコール、香辛料の摂りすぎを避けましょう。(これらの摂取で皮脂が増えると言われます)

◆便秘にならないよう食物繊維を多く摂りましょう。

◆ビタミンBを多く含んだ食品(レバー、しじみ、牛乳、卵、ほうれん草、トマト、キャベツ、しいたけなど)を摂るようにしましょう。

◆ストレス、過労、寝不足を避け、規則ただしい生活を心がけましょう。

◆出来れば毎日入浴し、丁寧に洗いましょう。ただし患部を強くこすると湿疹が悪化するので、「優しく洗って、よく流す」ようにしましょう。

◆クシやブラシで患部(頭)をこすらないよう、また薬を塗るときに強く擦り込まないようにしましょう。摩擦は湿疹を悪化させます。

●お知らせとお願い
「脂 漏性皮膚炎」は慢性の皮膚病です。日常生活や治療上の注意事項を診察の中で繰り返しご指導させていただきます。そのため保険診療のルールにのっとり、月に 1回、「特定疾患指導管理料」を再診の際に頂くことになっています。3割負担の方で300円の負担(1割負担の場合100円)をお願いしています。ご了承 のうえ通院いただきますよう、お願い申し上げます。

●最後に
現代はストレス社会ともいわれます。
何かに追い立てられるように一生懸命に生活をしていると、意外と自分自身のストレスや生活習慣の問題に気がつかないことがあります。
脂漏性皮膚炎は確かに皮膚の病気ではありますが、

「あんまり頑張りすぎなくてもいいよ。心と体を大事にしようね」

という、神さまからのサインととらえることも出来るかもしれません。

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 ※院内で配布している小冊子『脂漏性皮膚炎』

 

 

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 ※保険薬としてビタミンB2、B6を処方することもありますが、効果は限定的です。

 

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 ※わたしも一時使っていました。抗真菌剤が入っており脂漏性皮膚炎に「少し」有効です。市内のツルハなどで取り扱っています。ちなみにフルフルのリンスには抗真菌剤は入っていません。

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