院長ブログ

ウイルス性のイボ・その2

苫小牧の皮膚科医院 『たかはし皮膚科クリニック』、院長の高橋幸夫です。

イボへの対処法を理解するうえでも、どのようにウイルス性のイボが生じるのか、そのメカニズムを知る必要があります。
今日はイボ発症の仕組みを解説します。

手の指に生じたイボ

 

 

 

 

※手の指に生じたイボ

 

●正常な皮膚
図1は正常な皮膚の模式図です。皮膚表面の薄皮である「角質層」があり、その下「有棘層(ゆうきょくそう)」があります。そのさらに下に「基底細胞層」という細胞が並んだ膜があります。
この基底細胞層の細胞(基底細胞、幹細胞)が皮膚の細胞の「おおもと」です。すべての皮膚はこの基底細胞が細胞分裂して出来上がり、徐々に変化しながら4週間から8週間で一番表面の角質層にまで移動し、最後は「アカ」となってはがれ落ちます。

図1 正常な皮膚

 

 

 

 

※図1 正常な皮膚

 

●亀裂が生じた状態
図2は皮膚に小さなキズが出来た状態です。目に見えないくらい小さなキズでも、基底細胞に達することがあります。

図2 傷ついた皮膚

 

 

 

 

※図2 傷ついた皮膚

 

●ウイルス感染
図3は、そのキズ口からヒト乳頭腫ウイルスが入りこみ、基底細胞に感染してしまった状況を描いています。
このウイルスは、皮膚と皮膚の直接接触、ドアノブ、タオル、コインや紙幣、おもちゃ、床面などを介した間接接触、すでに自分の皮膚に存在するイボからの自家接種によって感染すると考えられています。

図3 ウイルス感染した皮膚

 

 

 

 

 

※図3 ウイルス感染した皮膚

 

●細胞分裂とイボの形成
図4はウイルスに感染した基底細胞が分裂していく様子です。ウイルス感染した細胞は正常な皮膚細胞にならずに、異常な角化を起こし、硬く盛り上がってゆきます。これが「イボ」です。
感染してからイボが盛り上がってくるまでの「潜伏期間」は「数週間」から「数年」と幅が広く、いつどこで感染したか分からないうちに、イボになっていることが多いようです。平均潜伏期間は3ヶ月といわれます。

図4 イボを生じた皮膚

 

 

 

 

※図4 イボを生じた皮膚

 

●さらなる感染の拡大
図5は大きくなったイボからウイルス細胞がばら撒かれる様子を描いています。イボが複数ある場合、はじめの1つは他のヒトからの感染ですが、2つ目以降は、自家接種によって増えたものが多いとされます。イボの周囲の皮膚に新たなイボが出来ることは、よく見られる現象です。

図5 ウイルスを排出するイボ

 

 

 

 

※図5 ウイルスを排出するイボ

 

以上、つたない図を交えながら解説させていただきました。
概略ですので、医学的に厳密でない部分はあると思いますが、おおまかな流れは理解していただけたのではないでしょうか。

次回、その3では発生の仕組みを踏まえて、治療法の解説に進みます。

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