一般皮膚科

とびひ(伝染性膿痂疹)の治療

とびひとは?

takahashi「とびひ」とは、正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と呼ばれる伝染性の皮膚病です。
顔や手をはじめ、あちこちの皮膚に「水ぶくれ」「じくじく」「かさぶた」が生じます。とびひの患部をふれた手でほかの場所を掻いたり、ほかの子どもに触れると伝染して拡大していきます。
幼小児に多い皮膚病ですが、まれに大人に生じることもあります。

とびひの原因

黄色ブドウ球菌、A群β溶血性レンサ球菌が皮膚に感染することにより、表皮剥奪毒素(皮膚を溶かす毒素)が作られます。この毒素が皮膚に水疱、じくじく(びらん)を生じさせ、じくじくした皮膚ではさらに黄色ブドウ球菌やA群β溶血性レンサ球菌が増殖し、さらに毒素を作り出す、ということが連鎖して発疹が拡大していきます。
ちょっとした擦り傷、虫刺され、アトピー性皮膚炎の掻き傷などに細菌が感染して生じることが多く、皮膚のバリア機能が損なわれると「とびひ」になりやすいと言えます。

当院の治療方針

1全身の状態を正確に把握します
2抗生物質の飲み薬による治療を開始します
3患部に外用剤を使用してガーゼ保護し、症状の拡散を防ぎます
4アトピー性皮膚炎などの合併症に配慮した治療を行います

 

正確な症状の把握

発疹がどのように広がっているか、全身をしっかり診察させていただき状況を正確にとらえます。
とびひの場合、湿疹やアトピー性皮膚炎を伴っていることもあり、とびひに対する治療のみではうまく改善しないことがあります。
またウイルス性の皮膚病である単純ヘルペス(さらに重症型のカポジ水痘様発疹症)を合併していることもあるので、注意が必要です。
加えて黄色ブドウ球菌による「ぶどう球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)」、A群β溶血性レンサ球菌による猩紅熱(しょうこうねつ)といった重症の皮膚感染症の可能性がないか慎重に見極めながら治療し、必要な場合は設備の整った医療機関への紹介も視野に対応します。

 

抗生物質による治療

ごく軽傷の場合を除き、当院においては内服の抗生物質を投与します。通常はセフェム系の抗生物質を投与し、症状の変化を見極めながら適宜投薬内容、投薬量を調整します。
かさぶたを形成する「とびひ」(多くはA群β溶血性レンサ球菌による)の場合、腎臓への後遺症を考慮し、十分な投薬を行うようにしています。

 

外用剤による治療

飲み薬の抗生物質に加え、塗り薬の抗生物質も処方します。患部に厚めに外用し、ガーゼ等でしっかり保護します。ガーゼの保護は感染拡大を防ぐためにも大変重要です。

 

合併症に配慮した治療

子どものとびひの場合、とびひだけが単独で生じることは稀です。よくよく観察すると、擦り傷、虫刺され、アトピー性皮膚炎、乾燥肌、あせもなどが基盤にあり、そこに細菌感染を生じてとびひになるケースが大半です。
そのため、もともとあった湿疹や乾燥肌の治療も同時に進めなければなかなか治癒しないことがあります。ステロイド外用剤は使い方を誤ると感染症を悪化させることもあるのですが、皮膚科医としての知識と経験を踏まえ、必要な場合は適度なランクのステロイド外用剤と内服の抗生物質を組み合わせて迅速な治癒を目指します。
またヘルペスなどの感染を合併する場合は内服の抗ウイルス剤を併用することがあります。

気を付けること

患部を清潔に保つことがポイントです。シャワーを毎日浴びていただき、患部の細菌、汗、よごれを洗い流します。
通常の石鹸やバディーソープでやさしく洗い、基本的には消毒薬を使わないよう指導させていただいています。
シャワー後は軟膏を塗布し、ガーゼで覆うのが基本です。
肌の接触、タオルなどの共有で兄弟などにうつる場合がありますので、配慮が必要です。
湿疹を合併している小児の場合、細菌が付いた指で皮膚を掻きむしることが感染拡大の一因になります。爪が伸びすぎている場合はちょうど良い長さに切りましょう。手が汚れている場合や患部を手で触ってしまった場合は、石鹸等で手を洗うようにさせてください。(過度の手洗いは手の皮膚のバリア機能を損ない、かえって「とびひ」が悪化することがあるので、必要以上の手洗いは控えましょう)

Q&A

Q幼稚園や保育園は休まなければいけませんか?
A軽症で患部をガーゼ等で完全に保護できる場合は出席できると思われます。しかし、保護が難しい顔(特に口や鼻)に症状が出ている場合や、本人(児童)が登園中にガーゼを剥がしてしまうような場合は難しいと思われます。またプール、水遊び、公共浴場なども避けるべきでしょう。

 

Q小学生の場合は登校可能でしょうか?
A周囲に感染が広がらないよう配慮が出来る児童であれば登校可能です。体育の授業への出席は症状をみながら判断することになると思われます。

 

Q治療はいつまで続くのでしょうか?
A発疹が完全に乾くまでは治療が必要です。最近は耐性菌といって抗生物質が効きにくい細菌が増えてきているので治療が長引くことがありますが、順調に推移した場合は、当院では1週間程度で治療終了となることが多いと思います。

 

Q今後とびひにならないようにする手段はありますか?
Aとびひの細菌は水疱瘡のように免疫力で再発を防ぐことはできません。皮膚に湿疹や傷が出来ないように気を付け、そうしたトラブルが生じた場合は早めに治療を受けて皮膚をジクジクしたままにしないことが重要です。
特にアトピー性皮膚炎、乾燥肌の方は保湿剤などで日ごろからスキンケアを行い、肌の状態を良好に保つよう心がけましょう。

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