診療内容

水虫(白癬)

「たかが水虫」では済まされません!

水虫は、足などに水ぶくれ、ジクジク、カサカサを生じます。
むし暑い環境で悪化し、ときに強い痒みを伴う皮膚病です。

悪化すると皮膚がただれ、雑菌による2次感染(蜂窩織炎)を起こすこともあります。
糖尿病などで皮膚の免疫力が低下している方が蜂窩織炎になると、大変深刻な状況に追い込まれることもあり、「たかが水虫」では済まされません。

調査によると日本人の5人に1人は水虫であり、家庭や学校、職場や公共浴場などで感染すると言われています。
水虫は患者さん一人の問題ではありません。家族や周囲の人も巻き込む、軽視できない感染症です。

当院では水虫に対して、「完治」を目指した治療を行っています。
適切な治療で水虫を退治しましょう!

水虫とは?

水虫は、白癬菌(皮膚糸状菌)と呼ばれるカビの一種が皮膚に感染して生じます。
足に生じた場合は「足白癬」と呼ばれ、「水虫」といえば「足白癬」のことを指します。
また、白癬菌が感染する部位によって、頭部白癬(しらくも)、股部白癬(いんきんたむし)など、別の名で呼ばれることがあります。

 

水虫の症状

水虫(足白癬)にはいくつかのパターンがあります。

 

趾間型

足のゆびの間の皮膚がふやけて、ただれてきます。特に足の小指と薬指の間に生じます。ただれた皮膚に雑菌が入り、足が赤く腫れる蜂窩織炎と呼ばれる状態を生じることがあるので注意が必要です。

 

小水疱型

つちふまずなどに小さな水ぶくれが生じます。湿度の多い時期に症状が目立ってきますが、涼しく乾燥した季節になると沈静化することが多いようです。

 

角質増殖型

かかとを中心に、足の裏全体がカサカサしてくる水虫です。かゆみが少ないため見過ごされやすいのが問題です。長期間放置されることで周囲に白癬菌を蔓延させてしまう危険があります。

自己治療で「水虫」が治らない理由

市販の水虫薬で治療をしているのに、なかなか水虫が治らないと困っている方が大勢います。
あるいは、医療機関で水虫薬を処方してもらったのだけれども、やはり治らないという方もおられます。
理由は大きく2つあります。

 

診断が間違っている

1つ目は、正しい診断が行われていないことです。
水虫は白癬菌による感染症ですが、自己診断や目視のみの診察では正確な診断は下せません。
水虫に似た皮膚病はいくつもありますので、真菌検査(顕微鏡を使って白癬菌を確認する検査)なしに確定診断は下せません。

当院では顕微鏡を用いた真菌検査によって、正しい診断を下してから治療を行います。
検査は院内で迅速に行いますので、診断がつけば来院当日から治療を開始することが出来ます。

 

治療が不徹底である

水虫が治らない理由の2つ目は、治療に問題がある場合が考えられます。
診断が正しく、水虫に効く塗り薬が処方されていても、薬の使い方の指導がされていないケースがあります。
白癬菌は短期間の治療では根絶やしに出来ないしぶとい病原体です。
特に皮膚の厚い足の水虫の場合は、角質層の奥深くに長期間生き残り、復活の機会を待っています。
医師がOKを出すまで、指示にしたがって適切な治療を続けるのが根治のコツです。

当院の診察の流れ

水虫かも?と心配で来院された患者さんの診察の流れを紹介します。

 

問診が重要

すでに水虫の治療を行っている場合は、その経緯や使用した薬を詳しくお聞かせいただいています。特にこれまで使っていた薬の内容は重要ですので、お薬手帳があれば必ず持参してください。
また、足の水虫が、「手」「そけい部」「くび」「頭」などに伝染している場合があります。
足以外に少しでも気になる皮膚の症状があれば診察させていただきます。

 

 

真菌検査

顕微鏡を用いた検査を行います。足以外にも白癬菌の感染が疑わしい場所があれば一緒に調べます。
通常は検査で診断がつきますが、はっきりしない場合もあります。
来院前に水虫の治療薬を使用していた患者さんの場合、本来は水虫なのに薬の効果で菌の量が減ってしまい、検査で確認できないことがあります。
よくよく探しても白癬菌が見つからない場合は、いったん水虫の薬を取りやめ、別の治療を行いながら後日再検査を行うこともあります。

 

外用薬の処方

顕微鏡の検査などをもとに診断が確定したら、通常は抗真菌薬と呼ばれる塗り薬を処方します。
抗真菌剤は新しいものが開発されて効果が高まっていますが、それでも完治まで数ヶ月かかります。
その間、根気よく治療を続けることが重要です。
塗り薬は、入浴後か就寝前に、両足の裏全体と、足の指の間すべてに、たっぷりなじむように伸ばします。
その際、強くすりこんで、足の皮をむいたりしないようにします。強く刺激して皮をむくと、皮膚の亀裂から雑菌が入ったり、白癬菌が皮膚の奥深くに侵入する隙間を作ってしまうことになるかもしれないからです。

 

治療の指導

足の裏は人体のなかでも最も角質層が厚く、水虫がしぶとく生き残りやすい部分です。
通常2~3ヶ月も薬を使用すると、外見的には症状はほとんどなくなります。
その時点で足の裏の角質層を採取して顕微鏡で検査しても、通常はほどんど白癬菌は見つけられないでしょう。
しかしこの時点で治療を終了してしまうと、非常に高い確率で水虫が再発します。
角質層の深いところに白癬菌が生き残っており、治療が終了したのち復活してくるのです。
そうならないように、外見的に治癒したように見える状態になってから、数ヶ月間はダメ押しの治療を続けることが必要です。
弱った白癬菌に「とどめ」を刺す治療を行うことが、「完治のコツ」なのです。
このことを医師、看護師からしっかりお伝えしなければ、完治の手前で白癬菌が生き残り、翌年の夏になると復活してしまいます。
夏になると毎年のように水虫になる方は、毎年あらたに白癬菌に感染しているのではなく、生き残った白癬菌が復活して症状が再燃しているのです。

 

異常がないかチェック

水虫薬の最大の副作用は「カブレ(接触性皮膚炎)」です。
どの薬を選んでも数パーセントの確率で、かゆみ、ただれが生じます。
実際に使用してみないとカブレが起こるかどうか分かりません。
そのため、水虫薬を処方したあとは、一定期間ごとに来院していただき、そうした問題が起きていないか確認する必要があります。
一度カブレた水虫薬は、数ヶ月、数年たってから使用しても、カブレる危険が高いので、以前使用して問題があった薬に関しては注意が必要です。
問診の際に、以前の治療薬を確認する理由のひとつです。

 

治療の終了

十分症状が改善したあとも、数ヶ月間は治療を続けていただき、その後問題がないのを確認できれば治療終了となります。
十分な治療をしても、まれに再発することはありますし、周囲の環境に白癬菌が存在すれば、再度感染してしまうこともあります。
治療終了後も異常を感じたら、自己判断で水虫薬を使うのではなく、まずは皮膚科を受診し検査を受けることをお勧めします。

日常生活でのケア

足は「清潔」と「乾燥」

出来れば毎日入浴して足を洗いましょう。
都合で入浴できない日も、可能なら足だけでもよく洗うようにしましょう。
その際、足をゴシゴシこすって、角質層を傷つけないようにしましょう。
また、入浴後は足に汗がこもらないよう、風通しのよい状態をしばらく保ちましょう。
濡れた状態は白癬菌が好む環境ですので、「乾燥」が大切です。
このタイミングで塗り薬を塗るのもよいでしょう。

 

角質を傷つけない

足の皮をむいたり、水疱を破ってしまう方がいますが、炎症や感染を起こす可能性があるので好ましくありません。
出来るだけ皮膚をいたわり、薬の効果で改善してくるのを辛抱強く待ちましょう。

 

感染拡大を防ぎましょう

足の皮膚から脱落した角質には白癬菌が含まれている可能性があります。爪の水虫の場合、爪にも白癬菌が含まれています。
そのため、お風呂の足ふきマットや爪切りを共有するのは避けましょう。
素足で家の中を歩きまわったり、スリッパの共有も好ましくありません。
家のなかはこまめに掃除機をかけるなどして、白癬菌が蔓延しないように注意しましょう。
適切な治療を続けていけば、周囲への感染力は次第になくなっていきますので、あまり神経質になりすぎる必要はありませんが、治療の成果が表れてくるまでは一定の配慮をした方がいいでしょう。

 

再感染を防ぎましょう

自分が使用していたスリッパ、革靴、安全靴などに白癬菌が残っていることがあります。
せっかく治療しても、以前自分の足から脱落した鱗屑(垢)に残った白癬菌に再感染しては治療が無駄になってしまいます。
十分に洗って乾かしてから使用するか、可能ならタイミングを見て買い換えるのもいいかもしれません。

Q&A

水虫を放置していたら、足の爪が白く濁ってきました。どのような治療がありますか?

検査で爪水虫と確認された場合は、飲み薬の治療が考えられます。定期的な通院、血液検査、飲み合わせの注意などが必要ですが、半年から1年で爪水虫を改善できます。

水虫らしいのですが、まずは市販薬で治療してもいいでしょうか?

虫薬を塗ると、あとで水虫の検査(真菌検査)がやりにくくなります。やむを得ない場合以外は、自分で治療する前に皮膚科を受診した方がいいでしょう。
正確な診断と適切な指導によって、より早く、そして安く治療が完結します。

体の湿疹に市販のステロイドを塗っていたら、湿疹が大きく広がってきました。水虫でしょうか?

ステロイドの副作用によって白癬が拡大することがあります。ステロイドを塗っていて症状が拡大しているのであれば、白癬の可能性があるので、皮膚科を受診した方がいいでしょう。

頭に水虫がうつるとどうなりますか?

「しらくも」と呼ばれる、白く粉をふいたような状態になります。重症化するとケルスス禿瘡(とくそう)という赤く腫れ上がり、膿がたまった状態になることがあります。
水虫の方は、頭の発疹にも気を付けましょう。

水虫の人の後にお風呂に入るときは注意が必要ですか?

お風呂のお湯を介して水虫がうつることはありません。
しかし、洗い場のイスや浴槽のへりに白癬菌が残っていると感染する可能性があります。浴室から出る際、体に残った泡や汚れをシャワーなどでよく洗い流すようにしましょう。また足ふきマットは共有しない方がいいでしょう。

水虫の人の靴下などを洗濯するときは、他の人の物と分けた方がいいですか?

洗濯する際に分ける必要はありません。通常どおり洗濯すれば白癬菌は十分除去されるので、衣服を介して伝染することはありません。