一般皮膚科

水いぼ治療・鍵はスキンケア!

水いぼとは

「水いぼ」とは、正式には伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と呼ばれる伝染性の皮膚病です。
子どもの四肢や胴に肌色のちいさなポツポツが多発し、増えていきます。ときには数百個にもなることがあります。
遊び相手の子供、プール授業を受けたクラスメイト、兄弟・姉妹に伝染することがあります。
水いぼ自体は痛み、痒みをともなうものではありませんが、雑菌による2次感染によって痛みや腫れを生じることがありますし、水いぼの周囲の皮膚に痒い湿疹を生じる「軟属腫反応」という現象が生じることがあります。

水いぼの原因

伝染性軟属腫ウイルスとよばれるウイルスが皮膚に感染することにより発生します。
水いぼの盛り上がった発疹の中に、軟属腫小体と呼ばれるお粥状の物体が詰まっており、このなかにウイルス粒子が含まれています。
水いぼを掻いたり擦ったりすることで、このウイルス粒子が拡散し、潜伏期間(数週間から数か月)を経て新たなみずいぼが生じていきます。

当院の治療方針

1自然治癒が期待できることを前提に判断します
2可能な場合はピンセットで除去し、早期の治癒を目指します
3痛みに配慮して治療を行います
4湿疹や乾燥肌など、みずいぼの悪化要因を抑えることが重要です

 

自然治癒が期待できることを前提に判断します

水いぼは、平均すると数か月で自然治癒するとされています。
自然治癒までの期間はまちまちで、何もしなくても1ヶ月後に消えていることがある一方、1年以上全身に発疹が出続けることもあります。
それでも、長期的には必ず治癒するので、基本的には「何もしない(みずいぼを取らない)」というスタンスのドクターもいます。
当院においても、症状や生活上の都合を総合的に判断して、敢えて「何もせずに様子を見る」という場合もあります。

 

可能な場合はピンセットで除去し、早期の治癒を目指します

自然治癒するとはいえ、みずいぼが次々に増えていくのは不快であり、不安なものです。
明確な基準はありませんが、
・数がおおむね10個以下の場合
・スイミングスクールなどに通いたい場合
・本人、家族が強く望む場合
これらの場合はピンセットでみずいぼを取る治療を行います。

皮膚表面を見て確認できるすべての水いぼを一度に除去しても、潜伏中のみずいぼが残っている可能性がありますので、数日から数週間後に新たなみずいぼが生じてくる可能性はあります。
その場合は、さらにピンセットで除去する治療を行います。水いぼがすでに数十個あるような場合、最終的に治癒するまで、3~5回程度水いぼを取ることも珍しくはありません。
全身に数百個もの水いぼがある場合、何度も治療するうちにお子さんが痛みのため治療を受け付けなくなってしまい、結局自然治癒を待つ、という方向に治療方針を転換せざるを得ないこともあります。

 

痛みに配慮して治療を行います

幼児の場合でも1~2個のみずいぼでしたら、そのまま除去するケースが多いのですが、痛みに対し敏感な子ども、水いぼが多数あり痛みに耐えられないと思われる子どもについては鎮痛処置を行います。
リドカインという麻酔薬を含んだテープ(ペンレステープ)やクリームをみずいぼに貼ったり塗ったりして痛みを抑制してから除去します。
麻酔効果が現れるまで1時間から1時間半程度かかるので、来院時間によっては日を改めて後日の処置となることがあります。

 

湿疹や乾燥肌など、水いぼの悪化要因を抑えることが重要です

当院で水いぼを除去する場合、当日のうちに行わないことがあります。
実際の外来診療で多くの子どもの水いぼを診ていると、湿疹や乾燥状態をともなうことが非常に多いのです。
本州に比べ乾燥しやすい道内の気候、住宅環境では、ほぼ1年中子どもの肌は乾燥し、湿疹を伴うこともしばしばです。乾燥症状や湿疹がある皮膚ではバリアー機能が損なわれており、水いぼのウイルスが自家感染(自分の皮膚から自分の皮膚に伝染して拡散すること)を起こしやすくなっています。そのため何度みずいぼを除去しても再生、再発を繰り返し、治療が終わらなくなってしまうことがあります。

当院では多くの場合、初診時には敢えて水いぼは取らず、乾燥症状や湿疹を改善させる塗り薬の治療を優先します。
その子どもの状態に合せて薬剤を選択し、1~2週間程度外用治療を行うと、乾燥肌、湿疹状態が改善し、肌がすべすべになります。すべすべしたキメの整った皮膚は、皮膚のバリアー機能が回復し、水いぼが拡散しにくい状態になっています。この時点で皮膚を観察すると、前回まであった水いぼが数を減らし、残った水いぼも小さくなっていることがよくあります。
残った水いぼが少数であれば除去を検討し、本人や家族が望まなければスキンケアを続けつつ自然治癒を待ちます。

気を付けること

水いぼを掻きむしったり、タオルなどで擦らないよう気を付けましょう。
入浴の際は、硬いタオルでゴシゴシこするのではなく、手で洗うことをお勧めします。
入浴の際は、他の兄弟姉妹とは別に入るようにし、タオルなどは共有しないようにしましょう。
日ごろからスキンケアに努め、入浴後に保湿ローションを塗るなどして肌のキメを整えましょう。
長期的には必ず治る病気ですので、極端に深刻になりすぎる必要はありません。一定の配慮をすれば、ほとんどの日常活動に支障はありません。

Q&A

Q幼稚園、保育園の登園は問題ないですか?
A問題ありません。ただし水いぼが多発している部分の肌が、他の子の肌に触れないよう、ある程度配慮すべきだと思われます。

Qプールに入っても大丈夫ですか?
A一定の配慮をすればプールは入れます。
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会から

「プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。」

という統一見解が出ています。
しかし、ビート板を共有しないで、肌と肌も触れないようにしながらプールを利用するのは現実的には難しいように思われます。プールの管理者、スイミングスクールの責任者と相談して判断していただくことになると思われます。

Q衣服やタオルの洗濯は、他の家族のものとは別に洗うべきですか?
A一緒で構いません。洗濯機で普通に洗えば、衣服などを介してうつることはありません。

Qこれまで何度も水いぼを取ったのに再発します。本当に治りますか?
A長期的には必ず治ります。何度も繰り返す場合は、適切なスキンケアが行われているか念のため確認してみてください。

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